本年度の「総合的な探究の時間」は、下記の全体計画にしたがって実施を予定しています。
本校の探究活動の取組についてご紹介します。
普通科では、2・3年生合同で、「地域の魅力発信」をテーマに活動を行いました。
本校がある真壁町は、古くは戦国時代末期に形作られ、江戸時代初期に完成した街並みが、いまも色濃く残っています。そのような立地の学校に通う真壁高校の生徒にとって、いまいちど真壁町を「探究」することは、非常に刺激的な学習になるのではと考えました。一方で、地域では少子高齢化が大きな課題となっています。真壁町の歴史や、名所・名店などをアピールして、県内外の人々に真壁町の良さを知ってもらうことができないかと考え、このようなテーマを設定しました。
活動としては、まず、自分たちの経験やインターネットの情報などをもとに、真壁の魅力を再発見するところからスタートしました。真壁町を取り上げたテレビ番組を生徒全員で見たり、行政が制作しているガイドブックを見たり、あるいは自分だけが知っている真壁町の良さを共有しあいながら、全員で真壁町の魅力を「再発見」しました。
次に、それぞれの生徒の興味・関心にあわせて複数の班に分かれ、地元の有名店舗や史跡を訪問し、インタビューを行うことにしました。そのねらいは、ガイドブックやインターネットの情報だけではわからない、「真壁町」ならではの魅力を掘り下げることでした。可能な限り効率的なインタビューを行うために、事前にYoutubeでインタビューの手法を共有したり、リハーサルをしたりしながら準備を行いました。インタビュー当日は、カメラ役、進行役、質問役などの役割分担をきめて臨みました。地域の方々はみなさん快くインタビューに応じてくれました。お忙しいなかご協力いただき、ありがとうございました。
インタビューの内容を持ち帰ったあとは、いよいよ魅力発信に向けた活動をはじめました。まずインタビューの内容を共有して、新たに発見したことを班ごとにまとめました。その後、動画による魅力発信を行うことを決め、動画制作についてのスキルを全員で学びました。実際にはGoogleVidsというアプリを使って動画制作を行いました。実際に動画制作に取り組んでみると、画像や文字だけでは伝わらない魅力が、インタビューという動きのある材料によって、より深く伝わることに気づきました。今年度の活動では動画の完成までには至りませんでしたが、この1年間、地域に密着して探究活動をすることができました。普通科の高校生として地域に貢献できることを、これからも考え、実践していきたいと思います。
農業・環境緑地科では、課題研究の授業を通じて、農業コースと環境緑地コースに分かれて探究学習を行いました。
環境緑地コースでは、地元真壁町の伝統工芸である石材加工について、職人の方々から直接学ぶ貴重な経験をしました。石材加工を実践し、独自の作品を作り上げました。この技術をどのように継承していくかを考える契機にもなりました。
農業コースでは食の安全・安心や高品質生産を目指した探究学習を行いました。
作物コースでは、トウモロコシやイネ、サツマイモといった高品質・高収量生産に向け、適切な栽培管理技術の確立と生育特性の検証に取り組みました。
果樹コースでは、消費者の食の安全・安心志向の高まりに対応するため、シャインマスカット・ナシ・イチゴの栽培における国際標準規格「GLOBALG.A.P.(GGAP)」認証の取得を推進しました。作業工程のマニュアル化をはじめ、厳格な農薬管理や残留農薬分析を通じて工程の「可視化」を図った結果、県内教育機関として初(ブドウでは全国高校3例目)となる認証を取得。ブランド化に伴う販売単価の向上など、農産物の高付加価値化を実現しました。
食品化学科では、課題研究の授業を通じて、複数の班がオリジナリティ溢れる加工食品の製造に取り組みました。以下に、代表的な作品を2つ紹介します。
ひとつめは、味噌タルトです。真壁高校で生産した味噌を使うという発想からスタートし、相性の良いフィリングを探し、試行錯誤した末にたどり着いたのがサツマイモでした。その後も焼き加減やみその量も調整しながら、納得のいく成果を得ることができました。真壁高校の代表的な製品である「真香味噌」を活かすことができてとても嬉しかったです。
ふたつめは、「零カレー」です。ふだんは市販のルーを使ってつくるカレーですが、授業を通じてスパイスから作ることに挑戦しました。最初はスパイスの香りなどを理解できず、分量を誤るなどして、あまり特徴を活かすことができませんでした。しかし、個々のスパイスの味を理解し、少しずつ調整をした結果、最後は成功と呼べるカレーを作ることができました。
1学年では、総合的な探究の時間を通じて、自分たちのライフプランを考え、その制作と発表に取り組みました。この取り組みは、令和7年度より機能統合した明野高校の取り組みを継承したものです。
生徒たちは、卒業後の進路を考えるきっかけとして、これからの進路活動を見据えながら、改めて自分の興味・関心や強み、これまでの経験を振り返り、自分自身の将来について考えました。しかし、具体的な将来像がなかなか思い描けず、考えをまとめることに苦労する生徒も多く見られました。それでも、一人ひとりが自分自身と向き合いながら、少しずつ自分の思いや考えを言葉にしていきました。
発表本番に向けては、十分な練習時間を確保することが難しく、限られた時間の中で準備を進めなければなりませんでした。人前で話すことを苦手とする生徒もいましたが、自分の殻を破ろうと勇気を出して前に立ち、それぞれが精一杯発表に臨みました。3月には、保護者の方や中学校の先生方を招き、発表を行いました。
自分のライフプランを発表することは、将来について改めて考え、自分自身の目標を見つめ直す貴重な機会となりました。また、友人の発表に耳を傾けることで、自分にはなかった考えや価値観に触れ、今後の進路や将来について考えるうえでも、大変有意義な時間となりました。
2月と3月には、地元真壁町のイベントである「ひな祭り」に参加・出展しました。この「ひな祭り」は、平成15年からはじまり、今では茨城県内外から訪れた多くの人でにぎわいます。「ひな祭りを盛り上げたい」という生徒たちの思いから、真壁高校で作った農作物や加工食品、つるし雛などを販売しました。生徒たちは「真壁」という文字が入ったうちわや桜色の法被を身にまとい、協力して呼び込みを行いました。その成果もあり、用意したものは開店してから1時間もたたずに売り切れとなりました。自分たちでつくったものを、自分たちの手で販売して、買ってくれた人の笑顔を直接見られたことは、日々の学習活動に大きなやりがいを感じる機会となりました。